おひとりさまのオタ活

40代独身腐女子の寂しい日常

今さら指輪物語・ロードオブザリングの感想3 〜「王の帰還」1回目感想〜

※これは押入れから発掘された、10年以上前のHDDに保存されていた文章です。そのまま晒しています。

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2004.2.13

 

王の帰還」感想

 

1回目(2月7日先行ロードショー)

 

  • 実は一番楽しみにしていたエオウィン対ナズグルのシーンが、ちょっと期待外れだった。原作の、笑って啖呵を切るシーン、楽しみにしてたのに。映画ではへっぴり腰(これはわざと恐怖に耐えている演技をしているの?それとも?もっと堂々として欲しかった!)&きめ台詞がガンダルフ、ナズグルの台詞にぶつ切りにされてしまって、全然生きてない。あの原作の感動がつぶされちゃってるよ~、すごく残念!

 

  • セオデン王がエオウィンに「わしの後を継いで王になれ。」とかいう台詞があったけど、あれ?次期王ってエオメルだよね?TTTではエオメルが王位継承者って言ってたよね? 話に関係ないっちゃないんだけど、王位争いが起こったらどうするの?って無駄な心配しちゃうじゃないか。エオウィンを目立たせる為なのかもしれないけど、話がおかしくなっちゃうよ。そのせいかエオメルの出番がほとんどなかった。セオデン王亡き後、新王エオメルの突撃シーンも削られてたし。このシーン好きだったのに悲しいよー。

 

  • エルロンドが単身、ローハンの野営地を訪ねるのもかなり違和感。セオデン王とは初対面だし、怪しまれないのかなあ?最初テントの中でフード被ってる姿は、あまりに弱々しくてアルウェンかと思った。TTTからこっち、この裂け谷親子はちょっと支離滅裂だよ。映画は原作とは違うから、オリジナル設定は全然いいんだけど、いきなり「アルウェンは死にかけてる。」とか言われても、あまりに突拍子なさすぎ。だって同じエルフのレゴラスとかはピンピンしてるのに、なんでアルウェンだけ?そんな破天荒な設定、急に言われてもついていけない。あと、アンドゥリルはアルウェンに頼まれなかったら作る気なかったのか?

 

  • エルロンドは映画設定で、かなり矛盾してしまっている。この辺、追補編の内容を入れようとしているんだろうけど、全体として違和感が出てしまっている。指輪会議を主催し、指輪隊を結成した張本人が何をしてるのか?アナタは安全な場所にいるけど、みんな命がけで戦ってるんだよ。どうして切々と望みがないことを主張しているのか?普通逆でしょ?娘を失う辛さは分かるけど、責任ある立場なんだから皆を盛り立てるのが役目じゃないの!?命がけでアナタに言われた任務を遂行しようとしているフロドと、勝利の見込みのない戦争をしようとしているゴンドールとローハンの立場は?しかもアルウェンとアラゴルンのことは前々から分かってたことなのに、何を今更ぐずぐずと説得しているのか? と突っ込みたくなる。

 

  • デネソールの扱いが酷いよ~。ガンダルフにボコボコにやられて、あれじゃあ執政の権威まるつぶれだよ。ピピンも嫌々忠誠誓ってるぽく見えるし、食べ方汚いし!火葬シーンは削られるかと思ってから、あるだけマシなのかもしれないけど、「愚か者の末路」じゃんあれじゃあ。少しは「威厳ある執政の最期」を演出して欲しかった。デネソールが単なる悪役になってしまっていてすごく残念だった。デネソールは観客側から見たら決して「良い理解者」ではないけど、「誇り高い威厳ある執政」であるはず。映画ではガンダルフがデネソールを突き飛ばして殺したっぽく見えなくも無い。アラゴルンが王位につくために邪魔者を排除したのか?ガンダルフってボロミア&デネソール親子に愛情が感じられないし、そう勘ぐりたくなってもしょうがないよ。

 

  • 3作通じて、レゴラスの人物像が全くつかめなかった。(しいて言えば1作目はまだマシだった。)ギムリは(単純とはいえ)割と人物が描かれているというのに。レゴラスは原作でもかなり不思議ちゃんではあるけど、まだ癒し系、ほのぼの、明るさ、可愛らしさといった側面が伺えるんだけど、映画では段々変人度が上がってきていることくらいしかつかめない。今回の一番の見せ場であると思われる対じゅう戦も、(ありえない動きはともかく、)終始無表情なところも、倒した後「大したことないね。」てな感じで一息ついてるところも、何を考えてるのか全くつかめない。原作とは別の意味で不思議ちゃんだ。しかも変人。私の希望としては楽しそうに敵を殺戮して欲しかった。そしたら「陽気な戦闘好きエルフ」って印象を持てたのに!登場人物が多すぎて手が回らなかったのか、初めから変人の予定だったのか分からないけど、もうちょっとまともに描いて欲しかったなあ。まあ、そもそも原作でもレゴラス=エルフ代表っていう役割だけで、個性は重視されてなかったわけだけど。そういう意味でも、レゴラスって作者の愛があまり感じられないよなあ。

 

  • 予告編で、アラゴルンがフロドに対してひざまずく(腰をかがめる?)シーン、エオメルがセオデンの亡骸を抱いて号泣するシーンがあったけど、本編で見かけなかったような・・・?私が気づかなかっただけなのかなあ?次回は注意してみてみよう。

 

  • ゴンドールの烽火!!すごい所にあるね!屁理屈とか突っ込みではなくて、単純に純粋に感動したよ。あんな標高高そうな(最低でも3000M以上はある)雪山の頂上に常に人がいるなんてびっくり!!登るだけでも大変そうだから、日帰りじゃなくて住んでるんだよね?どうやって生活してるんだろう。食料はどうやって調達してるんだろう。滅多に仕事ないのに、常駐してるんだよね。きっと勤続○十年目にして初仕事とかで、「え!?烽火上がってる?こっちも火つけるよ?いいんだよね?(ドキドキ)」ってな感じだったんだろう!すごい興奮した!

 

  • 人間の国では、ゴンドールよりローハンの方が好き。あのローハンの鄙びた感じが。悲哀に満ちたテーマ曲もいいし。

 

  • アラゴルン戴冠式でいきなりアルウェンに熱烈チューしたのはびっくりした。元々色気の少ない映画だから、もっと控えめに手を取って共に歩むとか、そういう演出かと思ってたので。いや、いいんだけどね。でも映画の雰囲気に合ってなかった。

 

  • 戴冠式ギムリが王冠置く台を持ってた。原作ではフロドだったよね。なんでギムリが選ばれたのかな~。原作通りフロドにすると特別な意味を持つわけだけど、それを描く時間がなかったから意味無くギムリにしたんだろう、きっと。別に全然いいんだけどね。レゴラスにしてくれても良かったな~。

 

  • 最後、灰色港にいるの、キアダンだよね?一緒に船に乗っちゃったみたいだけど。あと、あんな小さな船なんだね。客室とかなくてむき出しだし。もっと大きな客船みたいなのを想像してた。

 

  • なんでセオデンはゴンドールに援軍送ることにしたのかな?戦力足りないから王自ら出陣してるし。

 

  • セオデンが突撃の前に兵士を鼓舞するところ。細かい台詞は忘れちゃったけど、台詞の最後に「Death!!」と叫ぶところ。(原作ではエオメルの台詞だったよね。)格好いい!!不吉なこと言ってるけどいいんだね。セオデン及びローハン軍が格好良かった!!

 

  • 3時間半以上あり、正直言って途中で疲れてきた。原作のエピソードを忠実に入れているのはいいんだけど、あまりに見せ場がありすぎて散漫な印象があった。思い切ってエピソードを厳選して、見せ場を絞った方が映画としては良かったかもしれない。

 

  • アラゴルンが3部に至っても相変わらず煮え切らない態度。死者の道へも、原作では自分の意思で自信満々で行くのに、映画では自分でも、死者達を味方につけられるかどうか自信がない、危険だし行きたくないなー、と言った感じで最後まで頼りなかった。セオデンの王らしさとは比べ物にならない・・・。

 

  • サムフロルートでは、サムが指輪をフロドに返すシーンがすごく良かった。あのサムでさえも、手放す時かなり戸惑う。そこがすごく恐ろしかった!あそこをもっと描いてくれても良かったよ!